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by shukaori
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DAYSJAPANを読み続けていて本当に良かったと思った号(2011年5月号感想)

世界を視るフォトジャーナリズム雑誌「DAYSJAPAN」を定期購読しています。

今月号(2011年5月号)は、デイズを読み続けていて本当に良かったと実感した号でした。
DAYSJAPANを読み続けていて本当に良かったと思った号(2011年5月号感想)_e0090952_11394564.jpg


東日本大震災と津波によって、福島第一原発事故が発生しました。
震災以前は、原発や放射能の問題など、大手メディアでは全くと言っていいほど報道されませんでした。
しかし、事故後は、毎日、洪水のようにテレビ・ラジオ・週刊誌・ネットでこの問題を報じています。

様々な人たちが様々な立場で意見を言います。
政府は「直ちに健康には影響しない。冷静に対処してほしい。」と言います。
テレビでは有名大学の先生たちが「大丈夫です。間違った情報に惑わされず、正しい行動を」と言います。
しかし一方で、危険性を指摘続ける人もいます。外国へ避難したり、関西や沖縄へ移住する人もいます。

一体どの情報が正しいのか。自分はどうすればいいのか。
安全なのか?危険なのか?
情報の洪水に溺れてしまいそうです。

そんな時に、読んだのがデイズの5月号でした。
とりわけ、広河隆一編集長の「福島原発とチェルノブイリ」の記事と、「編集後記」を読んで、衝撃を受けました。

「編集後記」によりますと、チェルノブイリの事故では事故や汚染の被害を隠そうとする動きがあったそうです。
「事故や汚染の規模は国民には伝えるべきではない(それはいたずらにパニックをあおるだけだから)」、「事故は小規模なもの(原発推進政策にひびが入るから)」。
こういった理由で実態を隠し、結果として、救えるはずの人たちを事故や病気に追いやっていったとのこと。

今の日本の状況はどうだろうと振り返ってみると、事故評価のレベル7への引き上げの遅さ、福島の原発周辺の人々への中途半端で遅すぎる避難指示、20ミリシーベルトへの基準値引き上げ、「直ちに健康には影響しない」と言い続ける政府の対応など、かつてのチェルノブイリで起きたことと重なることが多すぎて、暗い気持ちになりました。
あたかも、これからの日本がどうなっていくのかを示唆されているようでもあり、更に気持ちが暗くなりました。

ですが一方で、ほっとした気持ちもありました。
広河編集長や、これまでデイズに原発関連の記事を寄稿していた方々が、どんな思いで長年、原発や被曝の問題に関わっていたかが分かったからです。

今までデイズで報道されていたことは、遠くの国の気の毒な人たちの話や、過去の話ではなく、原子力を使い続ける私たちが、いつか迎える時への警鐘だったのだと思いました。
恥ずかしながら、ようやく身に沁みて分かりました。

伝えなくてはならないという真剣な思いがあったからこそ、多くの人々がほとんど関心を寄せないような時でも、問題提起を続けていたのだと思いました。
DAYSJAPANを読み続けていて本当に良かったと思った号(2011年5月号感想)_e0090952_11401658.jpg


人間には誰にでも「生きる権利」「幸せになる権利」「知る権利」があると言います。
人々が生きたり、幸せになったりできるように、ジャーナリズムは人々が「知る」ためにあるとされています。

私は日本にデイズジャパンがあって、本当に良かったと思いました。
by shukaori | 2011-05-07 11:40
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